賢くてビックリなベルーガ

ベルーガは、真っ白で大きな海の哺乳類。シロイルカとも呼ばれていたりします。北極圏に住んでいて、クジラやイルカの仲間になります。日本では1976年に鴨川シーワールドで初めて一般公開されました。現在マリンシアターで見ることができ、パフォーマンスもここで観ることができます。美しい姿と、優しい顔が特徴的です。声が可愛らしくよく鳴くので「海のカナリア」という愛称がつけられています。

 

ベルーガの特徴

ベルーガというと、どこの水族館でもいるというわけにはいきません。大型の海の哺乳類ですから、それなりの施設が必要だからです。オスは最大体長5.5mにもなる大型の哺乳類なので、イルカというよりもシロクジラと呼ばれたこともありました。

ベルーガの前頭部にはメロンと呼ばれる脂肪組織があって、丸くて柔らかくなっています。ベルーガの頭にタッチできるディスカバリーガイダンスが鴨川シーワールドにはあるので、ぜひ試してみたいですね。

ベルーガは仲間同士コミュニケーションを取る事ができるばかりか、目を塞いだりしても周囲を感知して行動できる能力を持っています。鼻腔の奥を振動させて音波を発していますが、これが「海のカナリア」と呼ばれる所以の笛の音に似た音です。また、口は海底の生物を捕食するために水を効率的に吹き付けられるようになっています。水族館で口を開閉するベルーガを見たりしますが、これは単にパクパクしているわけではないのです。この効果は、口を突き出すようにして水や空気を押し出し「バブルリング」を作ることができます。これらはその時のプログラム内容にも寄ると思いますが、鴨川シーワールドのベルーガパフォーマンスの中の演技で見ることができます。

 

賢くてビックリなベルーガ

ベルーガパフォーマンスは「人間ができることをやってみせる」とか「動物特有の運動能力を見せる」というパフォーマンスだけでなくて、「人間には出来ないこと」を見せてくれます。人間が誇っている知識や能力の高さというのは何なのかと思う瞬間かもしれません。高い能力を持っていながら、平和な生き物だと思うのです。

スタッフはベルーガの水槽の中と、トークのための水槽の外にいます。ベルーガはイルカのように大ジャンプをするわけではないので、水槽の中にボンベを背負ったスタッフがいるのです。水槽の中のスタッフの指示で、大きな体を器用に動かしてパフォーマンスをしてくれます。最初は指示通りに障害物を除けたり、目標物にタッチしたりします。きちんとヒレが当たらないような几帳面さ(?)だけでも拍手が起こりますが、さらに目隠しをしたまま障害物を平然と除けて泳いでみせたりもします。そこで目で見て障害物を除けているのではないのだと分かりますね。自分で発する音波が跳ね返ってくることで距離などを測っているのです。

エサを捕食する時の特徴を利用して、バブルリングなどの演技をしたりします。まるで煙草を吸って煙の輪を作っているような、そんな昔のオジサンのようなコミカルさも楽しいです。また「この板と同じものをタッチしてね」と見せると、迷わずその板をタッチしたりします。小さい子供が見ると「ベルーガは学校にいっているのかな?」と思うでしょう。最後には「さようなら」と一生懸命発音するベルーガが見られるかも。