ビーチもある「名勝仁右衛門島」

日本の海の魅力の1つは、気軽に渡れる小さな島が点在することです。とはいえ、名勝仁右衛門島は昔からの所有者がいる伝説もある島です。海は美しく、春には磯遊び、夏は海水浴も楽しめます。ビーチがある島、といっても和の情緒があふれる島です。


 

情緒豊かさが新鮮

大人にとっては情緒豊かな様子が懐かしいような気がしますが、子供には新鮮に映るでしょう。島へ渡るには渡し舟があります。なんとモーターボートではなく、手こぎの舟です。子供の年齢によっては、テレビでしか見たことがない子もいるでしょう。島までは浅瀬もあるので一見「泳いで渡っちゃおうか!」と思う泳ぎ達者な方もいらっしゃいますが、監視員がいますから止めたほうが良いですね。島の観覧料金は往復の渡し舟料金を含めて大人1,350円、中学生1,050円、5歳~小学生は950円となります。太海沖合い200mなので、すぐ着いてしまうため高く感じる人もいます。しかしそこは手漕ぎ情緒あり、景色を堪能しながら船頭さんとの気軽なおしゃべりも含むというところでしょうか。島にはペットは一緒に行けないので注意しましょう。

 

島の伝説と歴史を探索

TDRなどでアドベンチャー気分を味わったり、遺跡を探索する気分を味わえたりしますが、名勝仁右衛門島は大胆なアドベンチャーではないものの、本物の伝説とリアルなアドベンチャーが待っています。伝説は日本の歴史を学びながらだと、なお楽しいでしょう。この島は代々の島主が平野仁右衛門を名乗ります。現在も推定38代目という島主がいらっしゃいます。この平野仁右衛門は、石橋山の戦いに敗れた源頼朝が安房に逃れた時に助けたと言われています。頼朝が島で平家軍から身を隠して巻き返しを図ったというもの。もしも平野仁右衛門が源頼朝をかくまわなかったら、鎌倉幕府はできていたのでしょうか?歴史とは不思議なものです。ちなみに、現在の平野家家屋はなんと1704年に建て直されたもので公開されています。立て直されたとはいっても、すごく昔ですから、そこにも歴史を感じることでしょう。

さらに歴史を実際に目で確認できるポイントを周ってみましょう。「蓬莱弁才天祠・寿老人合祀」や「神楽石・日蓮成人霊地」「正一位稲荷大明神」「頼朝の隠れ穴」などは見ておくと良いでしょう。日本の歴史で源頼朝を習った子供などは、実際に昔頼朝がいて、そこに隠れていたのかと思うと現実味を帯びてきますね。稲荷大明神は、その頼朝が隠れ穴に作ったもの。そこで実際に頼朝が隠れる身から鎌倉幕府までに出世できたのなら、霊験あらたかなような気がしてきます。

他にも珍しい亀岩や馬蹄石など岩を探したりして、周遊すると約1時間くらいです。仁右衛門島は約3万㎡の、千葉県指定で新日本百景です。